2023-02-03
長い事日記を書いていなくて、だからこれは全然日記ではないんですけど。毎日健康に楽しくて生きているので書こうと思います。嘘、普通にコロナにかかってました。厳密にはコロナに罹っていた(今「かか」って打ったら予測変換に「哥哥」って出てきてウケました)とはいえなくて、抗原検査2回とPCR検査1回を行いましたがすべて陰性かつ味覚障害があり熱が出ました。こういう人間がたくさんいるんだろうなと思いますが、苦しむのはなるべく少ない人間がいいなと思います。私はここ数年熱を出したことはないので久しぶりに「喉が痛い」という現実を味わい悲しくなりました。
無料公開していたので「ハイパーインフレーション」を読んだ。1話から最新話まですべて面白い! 差別的な表現が細やかで最悪だし感動しました。グレシャムさんとフラペコのこと全部わかりました、私。グレシャムさんにとって人間は貨幣換算できる価値しか必要ないけど、フラペコの貨幣価値はもう留まることをしらないから金への執念(pride)を生かしたまま最高になれる。
ゴールデンカムイとギャグのノリが似ているのですがより倫理観が強く、どちらかというとネウロ・暗殺教室の流れを感じました。話をコンパクトにまとめるところなどが特に。
というか、「逃げ上手の若君」も面白いですよね。どちらも延々と少年を主人公にしているが若君の方が少年に性的な目線があからさまではないですね。すみません、あと本当にどうでもいいんですが最強の生殖能力を持つダウーが自慰行為を知らないということはある??? 能力と欲望の方向は違うってこと?
「青野くんに触りたいから死にたい」の最新刊、読んだ? 夫という生きがいを失いワンオペ育児に翻弄され限界を迎え抵抗や意思を失い弱い方弱い方に悪意を受け流し続ける青野瞳。夫を事故で失いワンオペ育児を行いトップアイドルのマネージャーになり青山に住み続ける神浜奈津子。母のためにいい子供で居続け自殺した青野くん。母親のために料理を作り音楽を失い続けるが抵抗する力を与えられきちんと生かした神浜コウジ。どうすればいいんですか? 瞳/奈津子/青野くん/ミハコー、この袋小路を。どうして私は奈津子と瞳を比較しているのか? 実の子供以外の誰かが瞳を責められるかよ? 瞳があんなに頑張って、限界を迎えて、福祉や扶助につながれなかったのは瞳が悪かったのかよ。もう次の話をどんな気持ちで読めばいいの? 同級生の女はお前の母親には絶対ならない!助けて!
最近の趣味はヒストリカルロマンスを読み漁ることです。prideを漁るためなろうのヒストリカル恋愛小説を読むのが趣味だということは常々話していますが、一度出版社の邦訳ヒストリカルロマンス(大抵イギリスの話をアメリカの女性が書いている)に手を出すとなろうに中々戻れなくなりました。何故なら文章の質が違うから……。ただ、本当にざんねんなのはpride小説は普通になろう小説の方が多い事です。
この趣味を受けてエミリー・ブロンテの「嵐が丘」を久しぶりに読んだんですが最高で泣いちゃった。ヒースクリフ、あんたが最高だよ。私は人間をさんざんに振り回す性格の破綻した女が大好きなので、キャシーのことが大好きで大好きで……、ヒースクリフがどうして彼女を憎み愛したのかすべてわかっています(こえ~)。
ということで最近読んだ小説のランキングをネタバレ発表していきます。一々記録を残していないので印象に残ったものだけ。私がヒストリカルロマンスに求めているのは1にpride、2にpride、3にprideです。よろしくお願いいたします。
※ちなみにヒストリカルロマンスは邦訳される際、タイトルが似たり寄ったりになります。
あとごめんなさい、全部ヘテロ恋愛だし、女性は結婚しなければ社会的地位も価値もない。ズボンを履くのは体の線が出るので破廉恥(生きていると人間の形が出るので破廉恥ではないですか?)が前提のストーリーになります。
『謎伯爵は花嫁を求める』 ジーナ・コンクル
pri度:★☆☆☆☆
あらすじ:義父と義弟の借金のかたに世捨て人伯爵と結婚させられたリディア。彼女には画家になり絵を売るという夢があり、伯爵エドワードには冒険旅行に行き植物研究をしたいという夢があった。兄と父が死んだため家督を継ぎ研究にいそしめないエドワードは適当な女を妊娠させて跡継ぎを確保してから自分は旅行に行くという(人間をないがしろにするという観点から)物凄い計画を立てていた。生活をしていく内にエドワードと親しくなり研究をやめて欲しいと思うが、自分自身に画家になる夢を諦めさせることはできないと思うリディアであった。
友人に「研究旅行に行ったって死んだ兄は帰って来ないぜ」的なことを言われてヒーローがちょっと弱気になっており困りました。貫けよ、抱いたprideをさ。研究のためならどんな女性の人生も蹂躙し結婚し跡継ぎを生む装置だと思うことにしたんだろ。エドワードの母親がよかったです。
『偽りの婚約者に口づけを』エマ・ホリー
pri度:★★☆☆☆
あらすじ:大切な弟の同性愛スキャンダルに耐えられなくなった伯爵エドワード(※前の本と被ってるのは偶然)は、叔母と結託し世間知らずで同性愛の意味もわからない女を見つけ弟と結婚させようと企む。ちょうどよく教区牧師の父を亡くし夫を探しにロンドンに来たフローレンスはエドワードに目を付けられ、親族ぐるみの嘘に巻き込まれていく。
偽装結婚ものの兄(弟)が……というやつ。フローレンスは弟さんと婚約までいきますが兄と結婚する話です。この話が面白いのは最初ヒロインが採寸しているところを覗き穴から見たヒーローが興奮しているところを他人に見られ、「プライバシーの侵害だ」と思うところ。人のプライバシーを侵害しているのはお前だろ。
この兄弟の父親が若い頃本当に好きだった人と結婚できなくて家のために他の人間と結婚しており捨てられた人は当然恨んでいるんですね。父親はその人ともう会えないけれど毎年自宅の別荘でその人にあてて「出せない愛の手紙を書いていた」という事実が発覚し、それは愛の証拠だとエドワードは主張していたのですがちょっとわかりませんでした。普通に出せない手紙を書いた証拠であって愛情の証拠ではないのでは?
兄が家名や世間体を守るため、何より弟に指をさされるような(!)人生を歩んで欲しくないから同性愛を「治す」様必死に説得するところが弟を犠牲にしても望みを果たそうとしているという点でprideだと思いました。弟は彼氏とフランスに行って幸せになります。
『不埒な夫に焦がれて』ミーア・ヴィンシー
pri度:★★★★☆
あらすじ:今は亡き父親の願いで2年前に結婚し、以来ほとんど連絡を取り合っていないカッサンドラとジョシュア。精神の弱くなった母親と反抗的な妹に挟まれ必死に家庭を守ってきたカッサンドラは妹の結婚相手を探すためロンドンへ、ジョシュアと再会する。カッサンドラの元婚約者はジョシュアを不貞行為で訴えるのだった。
本当に最高、愛、人間。カッサンドラも精神・健康・経済すべてバラバラなんですけど、ジョシュアもメタメタなんですよ。カッサンドラは物凄い重い秘密を家族にも誰にも言わず一人で抱え続け、その代償の様に家族に罵倒され続けているし。一応戸籍上結婚相手であるジョシュアは成功した実業家で大勢の秘書が周りにいるのに、彼女を助けるほどの精神的余裕は一切ない。そこそこ珍しいんですがジョシュアは再婚者なんですよね。元の妻がいて、子供もいる。そして二人ともと死別しているせいで新しい関係すべてを怖がっている。
お互いに凄い煽り口喧嘩をしながらジョシュアとカッサンドラは仲良くなるんですが、最後カッサンドラはジョシュアに「私達は弱さを認めなければいけない。あなたが嫌う『女らしさ』を以て自分たちは弱く、しかしそれを乗り越えて明日を生きて行かなければいけないことを認めなければいけない」様なことを言うんですよね。感動で泣いちゃった。なかなかロマンス小説って二人がマブダチになる話がないんですよね。二人が友人になると正直もうどこに転んでもいい。お互いに別の相手と結婚したって、結婚せずに愛人関係になってもいい。だって友達だから。
ジョシュアが元の妻が亡くなった後、どうしようもなく寂しくなった夜に妻にあてて書いた手紙を盗んだ奴を絶対に許せねえ。必ずしも行為によって愛情は証明されませんが、愛情は行為によってのみ証明されるから。